小説を読むと、登場人物や景色が映画のように頭に浮かぶ。用語の丸暗記は苦手だけれど、エピソードと一緒なら覚えられる。そんな人はファンタジータイプかもしれません。ファンタジータイプは、読んだり聞いたりした言葉を映像に変えて考える、物語やたとえ話に強いタイプです。
この記事では、ファンタジータイプの人がつまずきやすい勉強のパターンと、想像力を記憶の力に変える勉強法を紹介します。
ファンタジータイプがつまずきやすい勉強のパターン
- 用語や年号を、意味や背景を知らないまま丸暗記する
- 箇条書きの要点だけが並んだまとめを覚えようとする
- 細かい数値や記号の暗記が中心の単元
- 想像が広がりすぎて、試験で問われる要点を取りこぼす
ファンタジータイプの人は、情報を「場面」や「物語」として思い描けないと、言葉がばらばらのまま頭に残らず、覚えにくくなります。
想像力を活かす7つの勉強法
- 1
覚えたい内容を、登場人物のいる物語にする
化学反応なら原子を人物に、歴史なら当時の人の立場に立って、出来事をストーリーに仕立てます。「誰が、なぜ、どうした」が見えると、ばらばらだった情報がひと続きの場面として記憶に残ります。
- 2
学習まんが・小説・人物伝から入る
新しい単元は、まず物語形式の本で全体の流れをつかみます。そのあとで教科書を読むと、用語が場面と結びついて理解しやすくなります。
- 3
自分でたとえ話をつくる
抽象的な概念に出会ったら、「つまり〇〇みたいなもの」と身近なたとえに置き換えます。自分でたとえを考える過程そのものが、深い理解につながります。
- 4
読んだあとに、場面を言葉で描写する
文章を読んだら本を閉じ、思い浮かんだ場面を口に出すか書き出します。思い出しながら説明することで、記憶が定着しやすくなります。
- 5
人に語るつもりで説明する
友だちや家族に、学んだ内容を物語のように話してみます。人に教えるつもりで学ぶと、理解があいまいな部分に気づきやすくなります。
- 6
用語は「使われる場面」に貼り付けて覚える
単語や数値は、それが登場する具体的な場面を思い浮かべながら覚えます。場面ごと思い出せるので、単体で暗記するより抜けにくくなります。
- 7
想像が広がったら「要点は3つ」に戻る
物語にすると楽しい反面、試験に必要な事実から離れることがあります。ひと区切りごとに、要点を3つだけ書き出して事実と想像を分けましょう。
科目別のコツ
- 歴史:人物の気持ちや立場を想像し、出来事を「その人の物語」として追う
- 英語:単語は場面のある例文ごと覚える。短い物語を多読する
- 理科:現象を「何が何に何をしたか」というストーリーにする
- 数学:文章題の状況を絵本の一場面のように思い浮かべてから式にする
大人の資格勉強・仕事の学び直しでは
資格の勉強では、条文やルールを「どんな場面で、誰が困るから、このルールがあるのか」という事例と一緒に覚えると定着します。仕事の知識も、成功例や失敗談のエピソードとセットで集めると、必要なときに思い出しやすくなります。
なお、「自分のタイプに合った方法だけで学べば成績が上がる」という考え方(学習スタイル仮説)は、研究では十分に裏付けられていません(Pashler ら, 2008 のレビューなど)。ここで紹介する方法は、苦手意識を減らして学びの入口をつくる工夫として使い、ほかのタイプの方法とも組み合わせてください。実際に記憶の定着に効果が確かめられているのは、「思い出す練習」と「間隔をあけた復習」です。
まとめ
ファンタジータイプの強みは、言葉を映像に変える想像力です。情報を物語やたとえ話にして記憶し、ときどき要点に立ち返って事実を確認する。この2つを行き来すると、楽しく、しかも抜けの少ない勉強ができます。